【導入事例】数字偏重から脱却──「挑戦」と「支援」に光を当てた人事評価制度の再設計

組織と働き方

“数字がすべて”の評価から抜け出せない──。
そんな課題を抱えていた企業が、挑戦行動や支援貢献をきちんと評価する新たな仕組みを構築しました。

📌 こんな課題がありました

  • 数字に強い人が評価され、挑戦しにくい空気が広がっていた
  • 新規事業の立ち上げや改善提案が見えない貢献として埋もれていた
  • 評価面談が形式的になり、本音の会話がしづらい状態だった

🔁 そこで導入したのが「3本柱の人事評価制度」

【1】成果×行動のハイブリッド評価(50%+30%+20%)

評価軸評価対象具体例
成果評価(50%)数値目標の達成度売上120%達成、業務効率化で工数20%削減
行動評価(30%)挑戦・支援・協働他部署プロジェクトへの参加、改善提案の提出
360度評価(20%)周囲からの信頼と貢献「この人のおかげで進んだ」などの声を収集

【2】挑戦ポイント制度の導入

  • 新規事業の企画立案・参加、ナレッジ共有、社内勉強会開催などにポイント付与
  • 累積ポイントに応じて表彰や昇格の参考指標に
  • 「目立たない貢献」や「裏方の頑張り」にも評価の光を当てる仕組み

【3】評価“会話”の再設計

  • 評価面談で「数字以外でがんばったこと」も確認
  • 上司と部下で“期待と挑戦のすり合わせ”を行うシートを導入
  • 「失敗共有」もプラス評価の対象とすることで心理的安全性を確保

⚠️ 制度導入時に起きた“社内の反発”

制度説明当初、営業部門から強い反発が起きました。

「売上を達成しても、評価は50%分しか反映されないなんて納得できない」

という声が多数上がったのです。
数字で成果を出してきた営業メンバーにとって、**「成果が半分扱い」**に映ってしまったのは無理もありません。

✅ 対策:職種ごとに評価制度を分ける

議論の末、以下のように運用を分けることで合意が取れました。

部門評価制度
営業部門従来通り、100%成果による評価
開発・管理部門新制度(成果+行動+360度)で評価

成果が明確な部門と、成果が“じわじわ効く”部門では、求められる役割も評価軸も異なる
その前提に立った制度設計が功を奏しました。

🌟 制度導入後の変化

  • 新規事業の企画立案、新規事業への立候補が増加
  • 支援やナレッジ共有が活発化
  • 評価面談が「数字の報告」ではなく対話の場に変わった
  • 若手・中堅問わず、挑戦への意欲が自然に引き出される空気が育ちつつある

📝 最後に:制度は“運用と対話”で育つ

制度の導入はゴールではありません。
その背景にある「私たちは何を大事にしたいのか?」という姿勢を、現場との対話で育てていくことが本当の制度改革です。

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